前回は「魅力的なキャラクターがいてこそよいストーリーが生まれる」と知った。
3日目となる今回は、そのストーリーを人に読ませるための「プロット」についてお伝えしていく。
前回記事を読んでいない方はこちらから。
3日目:プロットは”読みやすさ”が最重要
①プロットは企画書
ここでいうプロットとは、脚本作りに入る前の、ストーリーを整理したもののこと。
プロットは、作品の企画書となる。
プロデューサーや演出家は、脚本を読む前に、必ずプロットを読み、そこで作品の善し悪しを判断する。
要するに、作品の命運を背負った重要な”読み物”ということ。
②重要なのは”読みやすさ”
プロットで何よりも重要なのは”読みやすさ”。
客観的な描写で、手短にストーリーが把握でき、読み手を飽きさせない。
そうした読み手への配慮が求められる。
「プロットを他人に読ませるのは、大事な彼女(彼氏)との最初のデートと同じだ。いきなり退屈させないこと。初っ端で相手の機嫌を損なえば、巻き返しを図るのは用意ではない」
「(構成を検討する際)大直しが必要だという結論がでたら、それまで書いていたものへの執着を捨てて、一から書き直す気持ちを持たなければならない。あなたが思いついた一つ一つのアイデアや細部へのこだわりは、あなた以外の人にとってはどうでもいいものなのである」
③プライドやこだわりは捨てるべし
本書では繰り返し、ちっぽけなプライドや自分のこだわりを捨てるよう説いている。
なぜかと言うと、どんな脚本にも必ず「直し作業」があるから。
「どんな優れた小説家や監督、脚本家であっても、駄作をつくっている」
「努力の末に駄作が生まれるのは仕方がないこと。間違っても”こんな素晴らしい話を思いついた”と自分を過信してはいけない」
「初心者が思いつくストーリーは99%お話にならならいような出来損ないか、そこそこ話の体裁が整っているが、極めて凡庸といったレベルのものとなる」
文章は不思議なもので、自分が書いたものを「正しい」、「優れている」と思いたくなるもの。
自分が作ったものには、少なからず”情”が移るから、仕方ないのかもしれない。
しかし、それを人に委ねるときは、心を鬼にする必要がある。
親が子どもを他所に出すときと一緒。子どもを大事に思っているからこそ、あえて厳しく躾けなければいけないのだ。
まとめ:プロットは”子離れ”への第一歩
3日目はプロットの説明の後、斎藤氏の作品『演歌の花道』の企画書が掲載されている。
企画意図、登場人物の解説、プロットが書かれており、自分が生んだストーリーを読んでもらうための工夫が凝らされていた。
「作品を世に出したい」
そんな熱意をひしひしと感じたのは言うまでもない。
正直、作るのが大変そうだなとは思った。
それでもなお、プロットという面倒なモノをつくれるのは、自分が作ったストーリーへの愛があるからだろう。
4日目は「取材」がテーマとのことなので、楽しみにしていただきたい。
【今回紹介した本】 → 『1週間でマスター 斉藤ひろしのシナリオ教室』雷鳥社 (2006/3/15)
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