2日目のお題はストーリーの書き方。
「シロウトがいきなりストーリーが書けるわけないじゃないか!」
あなたがそう思う気持ちもよく分かる。
しかし、ドシロウトの私でも、次の日にストーリーを書き始めることができた。その理由は、「好きなキャラを思い浮かべたから」。
これからそれを解説していく。
遊び感覚でやってみると、気軽にできるよ
2日目:ストーリーの書き方
本題に入る前にひとつ余談。
1日目はあえてスルーしてたけど、物語とかストーリーとかシナリオとか、そもそも意味の違いが分からなかった。
なので、ここで一旦整理しておく。
物語
基本的には話、ストーリーと同義で、よく作品全体の話の要素を示す語として使われる。
ストーリー
頭の中に描くお話。創作で言えば、妄想、覚書、メモの状態であり、プロットになる前の”叩き台”。
プロット
ストーリーをもとに登場人物のキャラや役割、話の流れが整理されたもの。「人に読んでもらうことを前提とした読み物」
シナリオ
脚本と同義。プロットをより具体化し、場面変化の順序、せりふ・動作などを書いたもの。物語の設計図。
整理できたところで、さっそく本題に触れていこう。
①自分好みのキャラクターを主人公に
まず大切なのは、「好きなキャラクターを主軸にして主人公をつくる」こと。
本書ではその実例として、「偏屈な小説家と看護婦のラブストーリー」を掲載している。その一部を抜粋しよう。
主人公は偏屈な小説家だと決めた。そうすると、ヒロインは、たとえば……彼に手を焼いている女性編集者?……ダメダメダメ! 背筋が凍るほど凡庸な組み合わせだ。――そんな奴らの恋の行方なんか、一体誰が関心を持っていうんだ。
――相手はシングルマザーの看護婦にしよう。子持ちにしておけば、子どもを使ってサイドストーリーが作れるし、小説家と看護婦の恋のキューピッド役にできるかもしれない。
二人の最初の出会いの場所はどこだ? 決してロマンチックな出会いはいけない。そのへんは定石通りでいこう。とりあえず、スーパーのレジでいい。小説家はシャーペンの替芯1個持って並んでいる。だが彼の前にいる女(看護婦)はカゴ2つ分買いだめしていてなかなかレジが終わらない――
要は、好きな主人公像をベースにあれじゃないこれじゃないと考える。ただそれだけ。
技巧なんかを考えず、自分が楽しめる展開を考えればいい。
②どんな出来損ないでも、ラストまで作りきれ
著者はストーリー原稿を提示した後にこう語っていた。
「書いたストーリーがどんなに凡庸で陳腐でも、がっかりしてはいけない。人はみな凡庸なのだ」
「特別すごいアイデアが思いつく人も、特別ユニークな考え方をする人も、特別努力家という人もいなかった」
「どんな革新的なアイデアも、既存のアイデアに自分なりのひねりを加えた結果である」
一番の不安は、自分でつくった話がどうしようもなく陳腐に思えてしまうこと。
せっかく途中まで書いたとしても、「もっといい話、他にたくさんある」、「誰も読みたいと思わないだろうな」なんて思ってしまう。
しかし、著者は「どんなに出来損ないでも、ラストまでつくること」が一番大事だと言う。
ストーリーを描き切る。そのうえで自分を助け、導いてくれるのが、「自分が好きなキャラクター」というわけだ。
③面白い作品には「共感」が入っている
好きなキャラクターを主人公にすると、もうひとつメリットがある。それは、作品を面白いと感じやすくなるという点だ。
自分にとって魅力的なキャラクターが描ければ、共感する人が現れ、好感をもってくれる。
「このキャラ、本当にバカなんだよ。でも、その気持ちムチャクチャ分かるんだよなあ……」
こんな気持ちになれば、その作品は心に残り、「いい作品だったなあ」なんて感想も湧いてくる。
④人間を描くヒントは「弱さ」
また、人間を描くうえで最高のヒントとなるのが、「人間は弱いものだ」という認識を持つこと。
鬼滅の刃で煉獄杏寿郎があそこまで人気になった理由を考えてみてほしい。
彼は「鬼になれ」という”強さ”への誘いを断り、死の直前まで人間の弱さを誇りとして貫いた。
だからこそ、彼は人の心に残り、愛された。まさに「人間は弱いものだ」の成功例と言える。
まとめ:人間を描こうとする気持ちが、ストーリーをつくる
2日目を終え、私もストーリーを書いてみた。
するとこれまで「物語なんか書けるわけがない」と思っていたくせに、ノート5ページ分のメモが出来上がった。内容はさておき。
一度書き始められたのなら、あとは書いては考えるを繰り返すのみ。やること自体はそんなに難しくない。
あとは簡単なことを何度も何度も積み重ねることで、いいストーリーが描けるようになるはず。そんな希望が持てる2日目となった。
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