4日目のテーマは、脚本作りに欠かせない「取材」。
取材と聞くと、勉強用の本を集めたり、現場に行ったり、インタビューしたりと、忙しく動くイメージがある。
今回は、取材のメリット、脚本への活かし方についてまとめていく。
取材の考え方
①遊び感覚でやる
著者によると、取材は遊び感覚でやればいいとのこと。
「よく脚本家や小説家が『取材が大変だった』などと言うが、これは単に『多くの時間を要した』とか『手間がかかった』というくらいの意味であって、取材そのものは、あんたの好奇心を刺激し、知識欲を満たしてくれるものであるから辛いものであるはずがない」
「机にかじりつきながら、何もない状態からキャラや話をひねり出すよりも、調べ物をしながらネタを見つけた方が楽しいに決まっている」
取材は、新しい発想や作品の安定感に直結する。また、「これだけ調べたんだから」という自身にもつながる。
たとえネタとして使われなかったとしても、知識として蓄積し、新しいアイデアにつながるから、無駄になることはない。
②取材の目的は「リアリティ」を得ること
取材が必要な理由は、作品にリアリティをつけるため。
リアリティの欠如は、視聴者を白けさせ、作品の致命傷となる。
「たとえば、シリアスな警察ドラマで、殺人事件が起きたのに捜索本部も設置されずに主人公の刑事が単独捜査を行ったとすれば、その作品は救いようがないほど安っぽくなる。」
とはいえ、取材に囚われすぎて話が書けなくなるのも良くない。
肝心なのは、視聴者に「ありえない」「無理がある」と感じさせないことだから、取材から使う情報はある程度でOK。
そもそも取材は書きながらでもできるし、あとでいくらでも修正可能なわけだから、気負う必要はない。
③できることから調べる
取材するとき、専門書を集めたり、業界の人にインタビューしたりなど、とかくハードルが高い印象がある。
しかし、心配は無用。構えず、自分ができるところから調べ始めていけばいい。
例えば、医師について調べたいなら、専門的なことは後回しにする。
医師のブログやツイッターを調べたり、薄くて読みやすい本や、図解入りの子ども向けの本を読んだりすればいい。
「難しい本、ヴォリュームのある本から入ってしまうと、途中で投げ出すことにもなりかねない。足し算も引き算も分からない人間に、関数や因数分解がわかるはずもないのと同じ道理である」
まとめ:気軽な気持ちで取材しよう
取材はたしかに面倒くさい。しかし、調べない限り、前に進むことはできない。
とにかく、最初の一歩を踏み出すことが最重要。
一歩目ができれば、あとはできることを続けていくだけ。そうすれば、徐々にできることの幅も広がっていく。
難しいと思ったら、一歩引いて、できることを探す。できると感じたら、再度トライすればいい。
私は短気だから、慣れるまで時間がかかると思っているが、そもそもプロの小説家や脚本家だって、時間をかけて取材をしている。
まあ、気軽にやろう。取材すればするほど、自身の知識レベルも上がるわけだし。やって悪い方向に行くことはないのだから。
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