薄毛は人から自信をうばう。
毎朝鏡を見て前髪を上げては、前線が後退していないかを確認。
シャワーを浴びては抜け毛の量を気にする。
そんな日々はもうたくさん。私は意を決して、2019年7月に秋葉原にあるAGA専門のクリニックに通院することにした。
最初は「安い」と思った
きっかけはYouTubeでDaigoのAGA関連の動画。
それによると、科学的に発毛に効果があると言われているフィナステリドとミノキシジルを処方するAGAクリニックに通うことで、自信を取り戻し、意欲的になれるとのこと。
しかもいきなり数十万の費用がかかるわけでなく、月1万円程度の負担で。
ストレスを抱える自分と、1万円と引き換えに自信を手にする自分。「月1万円でこの屈辱とさよならできるなら……」私は迷わず後者を選択した。
1年通った結果
約1年通った。実際にかかった料金は月15,000円程度。Web診療を利用すれば12,000円程度だった。
で、通った結果だが、個人差はあるのは重々承知していたものの、私は生え際にほんの少し産毛が生えた程度。
正直薬をよく飲み忘れていたし、効果が出ないのは当たり前かもしれない。むしろ悪化しなかっただけ良かったと言える。
しかし、そんな自分を棚に上げても、疑念は強く合った。「本当に、1ヶ月15,000円を払う価値はあるのか」と。
「このお金、どこから来てるの?」
秋葉原という立地に金がかかった高層ビル、無駄に多いスタッフ、申し訳程度の脈拍チェックと頭皮撮影、意味のないアドバイス。
「このお金、どっから来てるの?」と言えるくらい、潤っている。
そこで私は考えた。懸命に働いて稼いだ金をここで払って納得できるのか。答えはもちろん否であった。
血液検査事件
そんな疑心暗鬼の私に事件が起こる。それが血液検査だ。
別料金で3,000円支払うことは通院開始の際から知っていたが、このとき、疑問に思うことが出てきた。
それは血液検査の項目。
通院開始時に受けた血液検査の紙を見ていると、直近で受けた健康診断の検査結果と検査項目が全く一緒だった。
つまり、検査の必要はないということ。直近の検査結果なんだし、普通なら、その検査結果を流用できると思うはず。
私は通院当日、健康診断の正式な検査結果表を持って「最近の結果だし、検査しなくていいでしょ」と血液検査の拒否を申し出た。
しかし、申し出た途端にクリニックの態度は急変。「血液検査を受けない人にはサービスを提供できない」と、追い返された。
金の切れ目は縁の切れ目
見切りをつける覚悟はしていたが、1年通院した客に対するものとは思えぬ淡白な対応だったことで、ここで院に対する信用はゼロになった。
溜飲が下がらず、論理的に納得できる回答を求めたものの、1週間後に来た回答は点で的を射ていなかった。要するに、「面倒くさい客はお断り」ということである。
はっきり言って腹が立った。こんな不誠実な対応する会社があってたまるものか。
もはや未練はない。その後私は、自身でフィナステリドとミノキシジルを手に入れる方法を探し始めるに至ったのであった。
続く。
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